松阪市立歴史民俗資料館　企画展【伊勢商人乾家～歴史に埋もれた商家の記憶～】

2021年12月14日 12:19

松阪市立歴史民俗資料館　企画展

【伊勢商人乾家～歴史に埋もれた商家の記憶～】

令和3年12月21日(火)～令和4年3月13日(日)

江戸時代には、「江戸名物、伊勢屋、稲荷に犬の糞」と言われるほど、多くの伊勢商人が江戸に店を構えました。特にこの地域は、出身地により後に松阪商人、射和商人、中万商人などと称される多くの伊勢商人が活躍しました。
この「乾家」は、これらの商人の出身地と異なり、櫛田川下流の清水村にあった商家でした。江戸の堀留町、小網町、浅草、千住宿に「江戸店」を有する豪商として、当時の随筆集『莘野茗談』には、「乾九兵衛は勢州清水といふ所の豪富なり」と記述があります。しかし、明治の中頃には店を閉めることとなり、豪商乾家も次第に人々の記憶から失われていきました。
平成29年、現当主より資料が一括して松阪市に寄贈されたことを受け、この4月に商業関係文書を中心とした目録が郷土資料室より発刊されました。今回は、その成果を踏まえて、当館の資料と共に、伊勢商人としての「乾家」の全体像を明らかにしていきます。